TradingViewは非常に優れたツールですが、基本的にはチャート分析用で、取引で発注するには、各自で証券会社の発注ツールを利用しなくてはいけません。
しかし、一部の証券会社では提供する取引ツールにTradingViewが組み込まれていたり、TradingViewと接続できるものがあります。
本記事ではそれらについてまとめてご紹介していきます。
TradingViewの「接続」と「内蔵」について
TradingViewが利用できる証券会社には大きく2種類に分かれます。
- 接続型
- 内蔵型
この2点の違いは非常に重要です。
まずはこの2つについて解説していきます。
接続型
接続型とは、TradingViewから証券会社へ接続して、TradingViewから発注できるようにするタイプです。
TradingView本体を通して、各証券会社へログインすることになります。
接続方法としては、TradingView下部のメニュー一覧の中から「トレードパネル」を選択し、接続できる会社のアイコンをクリックして、各会社へログインします。
TradingViewのアカウントを保有していて、接続先の会社のアカウントも保有している必要があります。
接続型のメリット
- TradingViewの機能をフルに使ってトレードできる(入っているプランによる)
- 自分のTradingViewのIDで色々な証券会社と接続できる
- カスタムインジケーターが利用できる
- ストラテジーが利用できる
接続型の一番のメリットは、いつも分析で利用しているTradingViewからそのまま発注ができる点にあります。
いつも利用している証券会社へ接続して、シームレスに取引できるのは思った以上に快適です。とくに有料プランに入っている人であれば、接続型の証券会社を選択されることをお勧めします。
また、接続型のみカスタムインジケーターやストラテジーが利用できます。
カスタムインジケーターとは、世界中のTradingView利用者が作成したインジケーターで、中には非常に優秀なものもあります。ストラテジーはMT4のEAと似たもので、エントリーから決済までをプログラミングしたものです。
これらを利用してトレードの参考にしたり、過去のチャートで検証することができるのも大きな利点と言えます。
接続型のデメリット
- 国内の証券会社で連携型は少ない
- TradingViewと証券会社の2つにログインする必要がある
- TradingViewのプランによっては有料となる
TradingViewと接続できる会社はそれなりに多くはありますが、日本国内で展開している会社は非常に少ないため、選択肢の幅は狭いです。
また、接続するにはTradingView⇒証券会社と2回ログインする必要があります。これも場合によっては面倒に感じることもあるでしょう。
TradingViewは無料でも利用できますが、有料プランに入る方が圧倒的に使いやすくなりますし、機能が充実します。それなりの環境で取引するのであれば、有料プランに入ることをお勧めします。
内蔵型
内蔵型とは、証券会社の提供する取引ツールの中に予めTradingViewが組み込まれているタイプのことを言います。一例として、下の画像は「みんなのFX」のログイン後の画面です。
取引ツールの右側に自然な形でTradingViewのチャートが収まっていますね。
このようなものが内蔵型です。
内蔵型のメリット
- 証券会社のツール内に組み込まれているのでログインは1回だけで良い
- 証券会社によっては、TradingViewの無料プランよりも充実した機能を提供している
- TradingViewの利用料はかからない
内蔵型は証券会社にログインしたら取引ツールの一部としてTradingViewが表示されるので、連携・接続の煩雑さがありません。
また、証券会社によってはTradingViewの無料版よりも一部機能が充実しているものもあります。
例えば、「みんなのFX」では、最大で6枚のチャートを同時に表示できます。(TradingViewの無料版では1枚のみ)
それでいて、TradingViewの利用料は一切かかりませんので、初心者の方や、できる限り低コストでTradingViewを使ってみたい方にお勧めです。
内蔵型のデメリット
- チャートとして表示できる銘柄は証券会社で取引できる銘柄のみ
- 表示できる時間軸は少ない
- カスタムインジケーターやストラテジー(バックテスト)は利用できない
内蔵型のTradingViewは、通常のTradingViewと比べると機能が大きく制限されています。
例えば、通常のTradingViewであれば、世界中の株式、通貨ペア、暗号通貨、インデックス、コモディティ等の中から検索したりフィルタリングしてチャートの表示ができますが、内蔵型はそれが出来ません。
あくまでも表示できるのは証券会社が取扱う銘柄だけとなります。
時間足も限られたものになりますし、他のユーザーが作成したカスタムインジケーターやストラテジーも利用できません。
しかし、TradingViewの中でも特に評価の高いラインやフィボナッチなどのオブジェクトツールは利用できます。
逆に言えばカスタムインジケーターは不要で、一般的なインジケーターと高性能な描画ツールさえ使えれば良いという方であれば、内蔵型はとてもメリットが大きいと言えます。
接続型と内蔵型の両方が可能な証券会社
TradingViewの接続型と内蔵型の両方を提供している証券会社をご紹介します。
両方が利用できますので、好みの方だけを使ったり、場合によって使い分けたりすることができます。
OANDA証券
最低取引単位 | 取引ツール | 取引銘柄 | スプレッド |
1000通貨 |
| FX84通貨ペア 株価指数CFD14銘柄 oil3銘柄 商品4銘柄 金属3銘柄 | 原則固定(pips)
|
OANDA証券は世界中にサービスを提供する大手のFX業者です。
FXだけでなく、株価指数CFD、商品CFDなど様々な銘柄に投資可能で、様々な分析ツールを提供しています。
その中で接続型のTradingViewと内蔵型のTradingView(ブラウザ版ツールfx trade)の両方が利用できます。TradingView愛好家であれば両方が利用できるのは大きな魅力で、用途や好みに応じて使い分けることが可能です。
また、MT4やMT5の利用できますので、TradingViewとMT4、MT5全てを使ってみたい方にお勧めの業者です。
スプレッドなどのコストも非常に狭く、初心者から上級者までオススメの業者となっています。
FOREX.com
最低取引単位 | 取引ツール | 取引銘柄 | スプレッド |
1000通貨 |
| FX84通貨ペア 株価指数CFD18銘柄 | 変動制(pips) 以下は参考値
|
FOREX.comはFXと株価指数の取引が可能な会社です。
こちらも世界中にサービスを提供している有名企業で、信頼性も高いのですが、スプレッドが本ページでご紹介する業者の中では最も広いのが難点です。
TradingViewについては、接続型と内蔵型(ウェブ版)の利用が可能で、更にはMT4を利用したトレードもできます。
TradingViewに接続できる証券会社
TradingViewに接続できる証券会社をご紹介していきます。
サクソバンク証券
最低取引単位 | 取引ツール | 取引銘柄 | スプレッド |
1000通貨 |
| FX158通貨ペア 日本株CFD約1500銘柄 外国株CFD約8800銘柄 株価指数CFD20銘柄 商品CFD8銘柄 外国株式オプション | 原則固定(pips)
|
サクソバンク証券は、FX、様々なCFD、オプション等の様々な銘柄に投資できる証券会社です。その数は合計で11000を超え、これ一つ持っていれば、どんな所にでも投資できるレベルになります。
取引ツールとしては、接続型のTradingViewの他に、「SaxoTraderGo」、「Smart TraderPro」が利用できます。
FXのスプレッドも十分に狭いですので、トレードの幅を広げるためにも口座を持っておくことをお勧めします。
TradingViewを内蔵する業者
FXTF
最低取引単位 | 取引ツール | 取引銘柄 | スプレッド |
1000通貨 | FXTFGX(TV内蔵) MT4 | FX30通貨ペア CFD5銘柄 暗号通貨4銘柄 | 原則固定(pips)
|
FXTFはFX、暗号資産、商品、オプション取引などができる会社です。
その中のFX取引では、ブラウザ用のツールであるFXTFGT内にTradingViewが搭載されています。他にもMT4が利用できますので、MT4とTradingViewを併用したい方にもお勧めできます。
スプレッドも業界トップレベルの狭さですので、低コストで取引したい方にお勧めします。
みんなのFX
最低取引単位 | 取引ツール | 取引銘柄 | スプレッド |
1000通貨 | FXトレーダー Webトレーダー (TradingView内蔵) | FX34通貨ペア | 原則固定(pips)
|
みんなのFXは、ネット証券としては大手の「トレイダーズ証券」のブランドの一つで、低スプレッドかつ日本人に使いやすいサービス&システムで人気を博しています。
シンプルチャートとTradingViewの2種類の取引ツールを提供しており、それぞれをワンクリックで切り替えられるユニークな仕様となっています。好みに合わせて簡単に変更できるので便利です。
みんなのFXではTradingViewのチャートを最大で6つ同時に表示できます。
Light FX
最低取引単位 | 取引ツール | 取引銘柄 | スプレッド |
1000通貨 | シンプルトレーダー アドバンスドトレーダー(TradingView内蔵) | FX44通貨ペア | 原則固定(pips)
|
LightFXはみんなのFXと同じく「トレイダーズ証券」の運営するFX業者の一つです。
そのため、Light FXではみんなとFXと同じTradingView内蔵型のツール(アドバンスドトレーダー)を利用することが可能です。
Light FXではTradingViewのチャートを最大で6つ同時に表示できます。
外貨ex CFD
最低取引単位 | 取引ツール | 取引銘柄 | スプレッド |
1単位~ (銘柄による) | スマホアプリ版 ブラウザ版(TV内蔵) | 株価指数CFD9銘柄 商品CFD6銘柄 バラエティCFD1銘柄 | 変動制
|
GMO外貨ex CFDはGMOグループのCFD業者で、株式指数、金属、商品などに投資ができます。
取引ツールはスマホアプリ版とブラウザ版があり、ブラウザ版がTradingViewを利用したものになります。
bitpoint
最低取引金額 | 取引ツール | 取引銘柄 | スプレッド |
500円以上 | BITPOINT PRO | 暗号通貨現物19銘柄 | 取引所は変動 |
bitpointは暗号通貨販売所・取引所です。
ビットコインやイーサーリアムなど様々な暗号通貨銘柄に投資ができます。
この中で取引所内のチャート分析ツールとしてTradingViewが利用可能です。
接続型と内蔵型に関するQ&A
- 内蔵型の口座を持っていたら、TradingViewの有料版を使う必要はありませんか?
-
内蔵版では、TradingViewの機能の一部を利用することができます。その機能だけで満足されるのであれば、有料版を使う必要はありません。(少なくとも取引することに限れば、有料版は不要です)
ただし、TradingViewの様々な機能をフルで使いたいのであれば、有料版を使って相場分析をして、内蔵版では発注をするだけにする、という選択肢も見えてくると思います。
- 接続型と内蔵型のどちらがおススメですか?
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マイナーなインジケーターは不要で、ライン分析ツールにこだわる方は内蔵型をお勧めします。ただし、内蔵型は採用業者によって表示できずチャート数、時間軸に違いがあるので注意してください。
一方で、他のトレーダーが作成したカスタムインジケーターを利用してトレードしたい、多くの時間軸チャートを使いたい、過去のチャートで検証したい、スクリーニングしたい、という方は接続型をお勧めします。